勝ちきるためのCMにするために、 ノバセルが提案した内容とは?

勝ちきるためのCMにするために、 ノバセルが提案した内容とは?

獲得したかったのは「ビジネスチャットといえばChatwork!」の純粋想起

―― はじめに、御社がテレビCMを検討されたきっかけや理由を教えていただけますか。

大森様 「今、我々の中期経営計画がちょうど始まるタイミングなのですが、コロナ禍の影響もあり市場が大きく活性化している中、いち早く市場を取りに行く重要なフェーズとなっています。その中でどうやったら成長スピードを加速させられるかが課題としてあり、いち早く効果を出せるのはテレビCMではないかと考えました。

『ビジネスチャットといえば、Chatwork!』という純粋想起を獲得することで、他の施策に対しても『集客効率が良くなった』、『成約率が高まった』といったレバレッジが効くはずです。新規顧客の獲得効率を大幅に上げるためには、テレビCMが必要でした」

―― テレビCMを検討される中で、ノバセルを選ばれた理由はなんでしょうか。

大森様 「実は前職時代にテレビCMの企画を立てたことがあり、その際に『テレビCMで勝つためには何をしなければいけないか』について徹底的に考えたことがありました。勝ち要素を定義し、あらゆる比較検討をする中で結果的にはノバセルさんしか該当するパートナーがいなかったんです。そんな背景もあり、Chatworkという会社で改めてテレビCMを検討したときには、すでにどこと組むかの比較検討が済んでいた状態でした」

―― ありがとうございます。比較検討する際、どんなポイントを大事にされましたか?

大森様 「比較要素を具体的に言うと、まずはコミュニケーション戦略をきちんと立て、お客様にプロダクトの価値を伝えるためのシナリオを描き、コンセプトに落とし込めること。誰がターゲットで、お客様の課題解決とベネフィットはどこにあり、差別化をどうすればいいのかといったストーリーをきちんとまとめていく力です。

もう一つは、そのコンセプトをしっかりクリエイティブ面に落とし込んだ映像を作れること。お客様とのコミュニケーションの中ではクリエイティブが非常に重要で、それをどう表現していけばよいかをきちんと作れないとダメだと思うんです。いわゆるブランディングと呼ばれる“イメージ”にこだわる方法もありますが、今回はそうではなく、徹底的にダイレクトレスポンスにこだわりました。

そのため、意識変容や態度変容、お客様の行動を具体的に促していけるかにこだわっていたのですが、色々な広告代理店に相談しても話がかみ合わないことが多くて。私はデジタルマーケティング出身なので、シンプルにいかにそのタイミングで『使ってみたい』と思ってもらえるかを重要視していて、『これだけ多くの人に視聴されました』ではなく、『お客様の行動がどう変わったのか』が知りたいんです。それを突き詰めるとアートではなく商用のクリエイターさんと組みたいと考えたのです。

3つめは、PDCAをきちんと回せる環境を作れること。どんな施策も最初から上手くいくなんてことはあまりないと思うので、コミュケーション戦略・クリエイティブ・結果のPDCAをしっかり回すことができれば勝てると考えたわけです。

それを実現するパートナーを探してみると、テレビCMを扱う代理店でコミュケーション戦略を一緒に作ってくれそうなところがなかなかない。そもそも、既存のCM業界にそういった文化がないのかもしれません。作例を見たいのではなく、事業の話をしたいと言ってもなかなか理解されない中、ノバセルさんはビジネス視点で論理的な会話ができる希有な存在でした」

―― 弊社の事業や考え方への理解を、どうしてそこまで深められたのでしょうか?

大森様「比較検討している段階で各社の資料を読み込んだだけでなく、セミナーにも多数参加していたからでしょうか。特にノバセルさんのセミナーは3回程参加しました。

パートナーになるからには、どれだけ相手を理解するかという相互関係がなければ、相乗効果を生むパートナーシップは組めないし、良い成果も出ないと考えています。

デジタルの広告代理店もそうですが、『ここまではやりましたので、あとはご自身でお願いします』というのが一般的。

我々の事業が成功するまで伴走してほしくても、それは範疇外と言われることがほとんどです。ノバセルさんは企業成長を支援するとおっしゃられているだけあり、トコトンまで付き合ってくださる意志を感じました。

さらに、御社のラクスル事業において少額からテレビCMを開始し、実際に事業を伸ばしている点が『スモールスタートでも勝ち筋を見つけられる』という信憑性にもつながりました」

“王者の戦い方”を提案してくれたノバセル

―― 発注を決められたとき、ノバセルに対してリクエストされたことはありますか?

大森様 「各社のCMを見て、クリエイターはこの人がいいですと指名させてもらいました。それから『我々は本気でやるので、本気の体制を組んでください』とお願いしました。まさに今、両社がワンチームで本気で取り組んでいる最中です」

―― 実際にテレビCMを制作する中で、浮かび上がった課題はありましたか?

大森様 「当初はコロナ禍が続くことで、もう少し早いスピードで市場が広がるイメージを持っていました。しかし実際は競合他社も含め、ビジネスチャットの普及率はまだ2割もいかない状況です。その市場では、残りの8割をスピード感をもってどう勝ち取るかが大事になってきます。そこで最初に、潜在的なニーズのある層も含めてインパクトのあるCMを打ち出し、ビジネスチャットそのものを知ってもらうことが第一前提になると考えました」

―― ビジネスチャットの広まり方が、コロナ禍においても想定より低かったのですね。

大森様「そもそも国内の6,700万人の就労者のうち、7割が中小企業に勤めています。大手企業であれば経営リソースであるヒト・モノ・カネ・情報が十分に揃っており、積極的なIT投資を行える環境があるのですが、中小企業はなかなかそこまでたどり着けず、大手企業との労働生産性の差がどんどん広がっている状況です。

そのような問題を解決するために、我々はサブスクリプション型でコストパフォーマンスの良いサービスを提供すると同時に、丁寧なコミュニケーションを通じて顧客理解を深めていきながら、顧客のコミュニケーション課題を解決し、業務を効率化することで、各社の事業成長をサポートしていきたいと考えています。

そのためにも、まずはビジネスチャットそのものの便利さや有益さを知っていただくことが重要だったのです」

―― なるほど、その点をどのようにクリエイティブに落とし込んだのでしょうか。

大森様 「シンプルにターゲットに刺さりやすい絵面をつくっていただきました。我々のターゲットが、中小企業の経営者なので、シンプルにストレートにサービス名を打ち出すご提案をいただき、できたのが今のキャラクターです」

―― 制作に際し、印象的だったことはありますか?

大森様 「衝撃的だったのは、やはり戦略提案でした。『ハッキリと言い切ることが便益になる』という戦略が強く印象に残っています。

ビジネスチャットツールの普及率がまだ低いとは言え、Chatworkはビジネスチャット国内利用者数No.1*。知っている人は知っているからこそ、『ビジネスチャットならChatwork』と言い切った方がベネフィットになると提案されたのはすごく新鮮でしたね。我々の立ち位置を理解してもらっているからこそ、このような王者の戦い方があるという提案をしてくださったのだと思います」

*Nielsen NetView 及びNielsenMobile NetView 2021年4月度調べ月次利用者(MAU:MonthlyActive User)調査。調査対象47サービスはChatwork株式会社にて選定。

制作・放映と戦略を両輪で回すことで、グロースさせる

―― PDCAを回しながらテレビCMをつくるということでしたが、どのようにテストを進められたのでしょうか。

大森様 「初回は、放映エリアを中京と福岡に絞り、それぞれメッセージが異なる3つのクリエイティブを作ってテストしました。2回目は北海道・宮城・静岡・広島・福岡で放映し、クリエイティブの中から当たり外れが見えてきたので、絞る方向性やエリア属性をスケールで表すといったテストを試みました。とにかく、ひたすらこまめにテストを繰り返してPDCAを回しています」

―― テストを繰り返す中で見えてきたことはありますか?

大森様「まずはスピードが重要と考え、最速でテストを繰り返している段階なのですが、もう少しテストを重ねないと正解を導き出すのは難しいかもしれません。ただ、制作・放映のアクセルを踏みながら勝ちパターンを見つけていくこと、これらを両輪で回していかなければいけないことはわかっています」

―― 同時進行で進めるというのは非常に難しいことですよね。そもそも大きな代理店では、それぞれを担当する部署が異なるかもしれません

大森様「そうですね。代理店の大きさや分業制に関して特にこだわりはありませんし、どちらでもよいと思っています。ただ、今回CMを行う目的は中期経営計画の達成であり、限られた時間の中で結果を出すということが重要なミッションとなりますので、要は一緒にビジネスを考えて、一緒に動いてもらえるパートナーであればよいと考えています」

―― 先ほどスピード感という話も出てきましたが、どれくらいのスケジュールで制作を進められましたか?

大森様 「基本的な制作サイクルは3カ月に1回ぐらいのペースと考えていましたが、その都度状況に応じてやり方などを変えています。最近では製作期間1カ月ぐらいで作ったこともありましたね。とにかく走るのを止めない、空白期間を作らずPDCAを回すことを心がけています」

―― PDCAを回す中で、分析データも大切かと思います。ノバセルからご提出した資料やレポートはいかがでしたか?

大森様 「アンケート調査結果が非常に面白かったです。一般的な認知度調査とは違って、実はこういうふうに視聴者は感じていたというのがわかり、次のクリエイティブの改善に活かすことができてありがたかったです。アンケート調査というのは、どんな仮説を持って聞くかが大事ですが、その仮説の立て方に経験の差が出ていると感じました」

―― テレビCM放映後の効果はいかがでしたか。

大森様 「1回目、2回目の放映を通じて、各エリアで5-6ポイント認知率が上がったという結果が出ました。今回は“認知”に寄せたクリエイティブにしているので、期待通りの効果が出ており非常に満足しています」

認知率向上は期待通り。次はバーティカルアプローチにもトライしたい

―― ノバセルに期待していることはありますか?

大森様 「効果測定の精度をもっと高めていくためにぜひお力添えいただきたいです。我々はSaaSという環境変化が激しい世界で戦っているため、戦略変更や施策の実行も非常に早い。ですが、テレビCM効果を素早く測定したくても変数が多すぎてぼんやりした結果になりがちなので、もっと複層化した分析をするためのお力添えをいただけると嬉しいです。

それから、メディアのバイイングも期待しています。可能な限り、直接的に買い付けたり、有利な条件を引き出してもらえるリレーションシップにも注力していただけるとありがたいです」

―― その他に今後、検討していきたい施策などはありますか?

大森様 「以前試したことはあったのですが、タクシーCMなども再びトライアルしていこうと考えています。しかし、今の段階ではとにかくテレビCMの効果を最大化することに注力すべきだと思っています。テレビCMは、より広く・より速くアプローチできるのが最大のメリット。デジタル広告ではアプローチできない人も狙えることが魅力です。テレビCMの出稿が年々減っていると言われていますが、広告市場の中ではまだ25%という巨大なシェアを得ており、かつ30代以降の層はインターネットよりもTVを見ている時間の方が長いというデータも出ているので、ターゲットに対する相性は良いはずですから。

とはいえ、あまり幅広い方向けのCMを作るとターゲットに刺さりにくくなるので、そこが難しいところではあり、調整を重ねているところです。特定の業界にフォーカスしたクリエイティブを作ってみて、自分事化を促すようなバーティカルな攻め方と、多くの人が刺さるであろうホリゾンタルなアプローチの両方を試していこうと思っています

―― 本日はお忙しいところ、ありがとうございました。