リード数・導入社数を急速に伸ばしたBtoB向けテレビCM戦略

リード数・導入社数を急速に伸ばしたBtoB向けテレビCM戦略

「テレビCM放映前に比べ指名検索数は倍に、ウェビナー参加者も急増」

―― Webマーケティングで着実に導入社数を伸ばしていた中、テレビCMの放映を検討されたきっかけを教えてください。また、テレビCM放映後、どのような変化がありましたか?

堀さん:我々が『HRBrain』をリリースした当時は、人事関係のクラウド型SaaSにまだ目立ったものがなかった時期でした。社名だけでなく、サービス自体の認知度もこれからという中で、アーリーアダプターとなってくださったのはやはり、クラウド型サービスに理解のあるIT系企業がほとんどだったのです。より多くの業界の方にサービスを知ってもらうためには、Webマーケティング以外のプロモーション方法も試す必要がある。

そうして行き着いたのが、テレビCMを利用したマスメディアからのアプローチだったのです。結果、認知度は拡大し、導入社数も急速に伸ばすことができました。また、営業に行く際に、CMを見てすでにサービスを知ってくださっている方が増えたことも大きな成果だと感じています。

大森さん:テレビCMを放映する前に比べて、指名検索数は倍になりました。また、病院から学校、飲食店、洋菓子店、ガソリンスタンドまで、非IT業界の企業からの問い合わせも増えています。さらに、認知度が高まったおかげで、自社で開催しているセミナーへの参加者も増加。特に2020年の4月以降は、第2弾のテレビCMが放映された後ということもあり、ウェビナーへの参加者が急増したことは大きな成果だと言えると思います。参加のきっかけとして、テレビCMを挙げてくださった方も少なくありません。

「デジタル広告の運用に通ずるテレビCM手法に共感」

―― ラクスルのテレビCMサービスを利用するに至った決め手を教えてください。

堀さん:テレビCMの放映を決めてから、複数の広告代理店から提案を受けました。ただ、『かっこいいCM』のイメージはできても、費用対効果に対する不安は大きくなるばかり。スタートアップである自分たちに必要なのは、広告賞をとれるCMよりも、効果が出せるCMです。悩んでいた時に出会ったのが、田部さん(ラクスル取締役CMO/ノバセル事業本部長・田部正樹)でした。少額から試せて、速いレスポンスがあり、どの時間帯のどの番組に集中投資していくかをチューニングすることができるラクスルのテレビCMは、デジタル広告の運用に通ずるものがありました。私自身、長年Webマーケティングに携わってきたこともあり、その手法の有用性に共感できたことが依頼する決め手となりました。

大森さん:ラクスルのテレビCMセミナーに参加して田部さんのお話を聞いた時、『私たちが求めていたのはこれだ』と感じました。マーケティングに精通する田部さんのテレビCMに対する視点には、効果の裏付けがあって安心感が持てました。何より、同じようにWebマーケティングで成長してきたラクスル自身が、テレビCMを活用したことで、更に大きく事業成長させた実績があったことが説得力につながったと思います。

「3つのクリエイティブパターンを用意し検証」

―― 最初に放映されたCMでは、お笑い芸人・小峠英二さん(バイきんぐ)の起用で話題になりました。このCMが生まれた背景、また、放映を終了した今どのように評価しているのか、教えてください。

堀さん:最初のテレビCMを本格的に放映するまでに、課題感をコミカルに演出するAパターンと、社名を全面に打ち出したBパターン、導入企業様の事例をご紹介するCパターンという3つのクリエイティブを用意していただき、ABCテストを行いました。結果、最も効果的だったのが小峠さんを起用したバージョンです。もともと、Web広告のクリックレートが見出しひとつで大きく変わるのと同じで、テレビCMも決め台詞やコピーで印象が変わるだろうと考えていました。

まずは知ってもらうことが重要だったので、『人事評価クラウド』と聞いてどんなサービスかが想起できなくても、『あのCMの』と言われるような、印象的なものにする必要もありました。そうなると、小峠さんのように耳馴染みのある決め台詞を持ち、かつ親しみやすいタレントさんの起用は非常に効果的だろうと踏んだのです。最終的に、バラエティ番組で振られて、小峠さんが『なんて評価だ!』と叫んでくださることもあって、当初の狙い以上の効果が得られたと感じています

―― 2020年2月から放映をスタートした新CMでは、元サッカー日本代表の本田圭佑さんを起用されています。クリエイティブも、キャッチコピーで印象付けるコミカルなものから、サービスの内容がわかるシリアスなものへと一新されました。今回のCMにはどのような狙いがあったのでしょうか?

堀さん:小峠さんに出演いただいたCMは、十分に効果が得られていましたが、放映開始から1年半近くが経ち、その間にサービスも進化し、対応できる幅も広がってきていました。そこで、より大きな企業様からの認知や信頼を得るために、具体的なストーリー作りが有効ではないかと考えたのです。本田さんを起用したのは、KSKGroup創業者であり、『HRBrain』のユーザーでもあったため、言葉に説得力が持たせられるだろうという狙いがありました。

―― 新CMのパートナーとして再び「ノバセル」を選んだ理由を教えてください。

堀さん:理由は大きく3つあります。第一に、田部さんをはじめとするご担当者の皆さんの能力が高く、精神的にも安心して仕事がしやすかったためです。2つ目は最初のテレビCMで効果が出せていたため、当然2回目もお願いしたいという意思決定につながりました。そして一番のポイントとなったのは、CM放映後の改善の仕方や運用面に共感できたからです。『ノバセル』が効果分析ツール『ノバセルアナリティクス』に力を入れていらっしゃるように、CMは放映したら終わりではなく、放映したあとに効果分析し、どう改善を回していけるかが非常に重要だと考えているので、また同じ方向を向いて制作を進めることができるだろうと感じました。

大森さん:今回は本田さんのスケジュールの関係で、準備期間が非常に短い中での制作となりました。そうした中でも、メッセンジャーを使ったスムーズなやり取りで、クリエイティブのブラッシュアップも大変スピーディに進めていただきました。そうしたレスポンスの速さも、『ノバセル』の強みなのではないかと感じます。

―― 今後のテレビCM展開に対する課題点はありますか?

大森さん:最初のCMは、タクシーアドで火がついて話題になったことが成功の大きな要因となりました。しかし、人々の生活様式が変化している今、ユーザーへのコンタクトポイントをどう変えていくか……テレビCMを強化するのか、それともそれ以外の方法をとるのか、検討していかなければならない課題のひとつになるでしょう。関東圏で行った調査によると、タクシーアドに出稿を続けたあとの『HRBrain』に対する純粋想起は1%、テレビCM放映後にはこちらが5%にまで上がっていました。数字だけ見れば前者のほうが効果は低いように感じますが、その分、届けたい人=経営者にダイレクトに浸透させるという意味では数字の限りではありません。もちろん、幅広く認知を拡大させるためにはやはり、テレビCMのほうが効果は高いと言えるのですが、今後の投資判断として、『認知度』よりも『コンバーション数』の増加により重きを置いていきたいと考えています。そうなった時、じゃあ『認知度』は関係ないのかと言えばそうではなく、認知度が上がると検索がどれだけ伸びるか、そこに相関性があるかが重要です。そういった判断をするためにも、『ノバセル・アナリティクス』も積極的に利用していきたいです。

堀さん:そもそもBtoBの製品に、一般の方は興味がありません。それを前提として、いかに埋もれないテレビCM、デジタル広告を作っていくかということが、今後も大事だと考えています。