懐かしいCMソングのリバイバルに、当時見ていた視聴者層が大きく反応! ~2023年6月 視聴者が検索したテレビCMランキング~
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ノバセルにてマーケティングの効果として重要指標としている「指名検索」。CM放映の前後数分間に増えた指名検索数をCMのインプレッション数で割ったスコアを「指名検索スコア」と設定し、理論上はこのスコアが高いほどCMによってブランド名がより効果的に検索されたと計測しています。
あらゆるテレビCMの指名検索スコアが可視化できる「ノバセルトレンド」にて、2023年6月の指名検索スコア順テレビランキングをご紹介します。
2023年6月 テレビCM指名検索スコアランキング
1位はレダの『プチシルマ』のテレビCMでした。
プチシルマのCMは以前より研ナオコさんが出演し、林家ペーさん、志村けんさんなどと一緒に歌い踊りながら商品を紹介するクリエイティブで、2000年代にはCM放映が多かったため、覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
プチシルマの歌って踊るCMのシリーズは、久しぶりの放映になったため、懐かしいと思われて検索された方もいれば、初めてCMを見る方にとってはインパクトがあり、「プチシルマって何だろう?」と思わせるには十分なクリエイティブだったと考えます。
今回は、研ナオコさんとともこさんのお二人が出演されています。2位は、Adoさんの1st Blu-ray & DVD『カムパネルラ』のテレビCMでした。
顔出しをせず歌い手として活動するAdoさんによる、2022年8月11日に開催したさいたまスーパーアリーナ公演を全曲完全収録した初のライブ映像作品のテレビCM。昨月の1位から今月は2位になりました。6月21日のDVD発売まで視聴者やファンの方々が引き続き注視していたことがわかります。
今回は、2位以下と圧倒的な差をつけて指名検索スコアを伸ばした「プチシルマ」のCMについて掘り下げて分析します。 久しぶりのCM放映がなぜここまでヒットしたのか、どこにヒットのきっかけがあったのかをご紹介します。
プチシルマ CM分析
まずは、「プチシルマ」を検索しているユーザーが、どのような点に関心をもって検索行動にいたったのかを知るために、「共起キーワード(プチシルマと一緒に検索されているキーワード)」を見てみます。
CMに出演している女優、特に「ともこ」さんに興味をもって検索している層が多いことがわかります。また「志村けん」「昔」との検索もあり、志村けんさんが主演されていた前回のプチシルマのことを思い出し手の検索も多いことがわかりますね。
志村けんさんと、研ナオコさんが出演していたプチシルマのCMの放映は、2005年。そこから約20年の月日がたった今でも、人の記憶に残り続けるとは驚きです。続いて検索している方の性別年代別の構成比をみてみましょう。
男性と女性の構成はおおよそ半々、年代は50代が最も多く全体の約30%を占める結果となりました。最後に番組別の効果を見てみましょう。
BSテレビとテレビ朝日の2局で、土曜日・日曜日の朝~お昼の時間帯の番組で放映していることがわかります。
特に平日に比べ比較的時間に余裕があり、行動変容を起こしやすい土日日中に絞って放映をすることが、ブランド全体の指名検索スコアを押し上げていると考えられます。
これらの結果から、「プチシルマ」が高スコアを出した要因は
1.2005年のCMを思い出し、その懐かしさから検索した層が多かった
2.比較的時間に余裕があり、行動変容を起こしやすい土日日中に絞って放映をしていた
の2点ではないかと考えます。
2023年6月に放映されたテレビCMは、「プチシルマ」、「Adoさんの1st Blu-ray & DVD」、を中心にランキング内のCMの指名検索数が伸びていました。テレビのながら視聴が増えている現在、CMを見ながらどれだけ検索されているかを知ることで、世の中のトレンドや関心度がうかがえます。