ビジネスチャット市場分析レポート |会社勤めの方に聞く、社内コミュニケーションの実態とは
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企業のマーケティング戦略立案をサポートするサービス「ノビシロ」を提供するノバセルでは、会社勤めの500人を対象にアンケートを実施しました。調査内容は社内コミュニケーションの課題についてです。社内のコミュニケーション方法を見直せば、業務の大幅な効率化につながるかもしれません。社内でのコミュニケーションに課題を感じている方や、業務の効率化を考えている方にとって、ぜひ今後の業務改善の一助となればと思います。本記事ではアンケートの調査レポートを公開いたします。
社内で利用しているコミュニケーションツール
今回のアンケート回答者の勤め先では、社内のコミュニケーションは「メール」や「電話」で行われていることが多く、約8割を超えます。コロナ禍にテレビ会議・Web会議などコミュニケーション手段が多様化していることが予想できますが、それでも電話・メールを今も使う会社が多いということがわかります。一方、メールよりも気軽に会話ができる、テーマごとにグループを作成できるなどのメリットから、近年導入する企業が増えている「ビジネス向けチャットツール」の導入は24.8%にとどまっています。
時間を割いている業務
時間を割いている業務として、「社内間の電話・メール対応」が21.4%と、「社内会議」と同程度、かつ「売上や事業成長のための施策立案・実行」よりも上位に挙がります。もしかすると、社内コミュニケーションによって業務が圧迫され、本来時間を割くべき業務に十分な時間を使えていないのかもしれません。
社内間のコミュニケーションの課題
では、回答者は社内のコミュニケーションの課題をどう認識しているのでしょうか。「メールの量が多く、確認に時間がかかる」は26.4%が課題として挙げており、電話・メール対応には本来時間を割くべきではないと認識されいるようです。また、「部署間での連携が不十分」が26.6%、「伝えたい内容がちゃんと伝わっているかわからない」が25.4%と、そちらも課題として捉えている回答者が多いことがわかります。
メールでのコミュニケーションの不満
業務圧迫の一因となっている可能性がある、かつ、「量が多く、確認に時間がかかる」と捉えられているメールでのコミュニケーションについて、不満をさらに細分化しました。メールでのコミュニケーションにおいて、「メールの作成に時間がかかる」が22.0%、「過去のやり取りを探すのに時間がかかる」が21.6%と、メールを作成する・処理する過程どちらにおいてもでも不満に感じていることがうかがえます。
ビジネス向けチャットツール導入のきっかけ
では、24.8%が社内で利用していると答えた「ビジネス向けチャットツール」は、どのようなきっかけで使われているのでしょうか。チャットルーツを利用したきっかけとして、「リモートワークによりコミュニケーションの課題を感じたため」が22.1%、「社内のコミュニケーションのスピード感に不満を感じたため」が20.7%、と上位に挙がります。コロナ禍においてリモートワークが導入されたことや、メールでのコミュニケーションに時間がかかることを課題視し、ビジネスチャットツールが検討されたことがうかがえます。
本調査に対する「ノバセル」の見解
本調査をまとめると、社内コミュニケーションの実態は以下の通りです。
- 社内コミュニケーションは現在でも電話とメールの利用が多く、ビジネス向けチャットツールはまだ導入企業が少ない。
- 社内の電話・メール対応には多くの時間を割いており、他の業務を圧迫している可能性がある。
- 社内コミュニケーションの課題として、部署間での連携の不十分さや、メールの量が多く確認に時間がかかることが強く認識されている。
- ビジネス向けチャットツールは、リモートワークによりコミュニケーションの課題を感じたことや、コミュニケーションのスピード感に不満を感じたことがきっかけになって導入されていることが多い。
今回の調査では、日本の企業の社内コミュニケーションにおける実態と課題が現れたのではないでしょうか。社内コミュニケーションには多くの時間が割かれ、課題であると捉えられながらも、その改善には踏み込めていない企業が多いことがわかります。しかし、ビジネス向けチャットツールなど、コミュニケーションの効率化を図ってツールを導入している企業もあります。コミュニケーション方法から考え直してみるのも、業務の生産性を高めるための一助となるのではないでしょうか。
調査概要
タイトル:ビジネスチャットに関する調査
調査日:2020年8月
調査人数:500名
調査対象:会社経営(経営者・役員)100名/会社勤務(管理職)150名/会社勤務(一般社員)250名