ポストコロナで確実に成長するマーケティングとは?実践的オンオフ統合マーケティング論はじめました
目次
講師
2019年、日本におけるデジタルマーケティングの広告費がテレビの広告費を超えたことが大きな話題になりました。そのわずか2年後の2021年にはインターネット広告費が2兆7052億円に達し、テレビ、新聞、雑誌、ラジオのいわゆる「4大マスメディア」の広告費の合計を初めて上回りました。
出典: 総務省 情報通信白書令和4年版
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/html/nd233220.html
広告一つとっても大きな変化の時代を迎えている現在、企業はマーケティングをどう捉え、どのような施策を行っていけばいいのでしょう?
この連載では、大きな時代の転換点を迎えた新しい時代のマーケティングについて、「オンオフ統合マーケティング」をキーワードに、新たなマーケティング手法の投入で大きく業績を伸ばしたノバセル、その手法をシステム化したラクスル、そしてラクスルのクライアント企業の実例を交えながら、できるだけ実践的にひもといていこうと思います。
ポストコロナ、顧客動向の変化……マーケティングの激変に戸惑っていませんか?
インターネット広告費の増加の理由はスマートフォンをはじめとするデジタルデバイスの普及、それに伴うネット関連ビジネスの増加、マスメディア比で単価が低いことなどさまざま挙げられます。
印刷のシェアリングプラットフォームを提供するラクスルグループの祖業であるラクスル事業は、このビジネス環境が劇的に変化する中で、マーケティングに57億円を投資し、認知60%を獲得するという結果を出してきました。
そこに新型コロナウイルスの世界的大流行という予測不能な“ファクターX”が加わり、顧客と広告主との関係性とそのマーケティングはさらに変化し続けています。
複数のゲームチェンジャーの存在によって、大きく変わった世界……。
御社のビジネスを成長させるマーケティングも、「待ったなし」で大きな変化への対応を余儀なくされています。
広告の“効果の可視化”がシビアに求められるようになった
コロナ禍によって、オンライン会議、リモートワークが当たり前になるなど、顧客とデジタル媒体の接点は飛躍的に増加しました。
みなさんご存知の通り、それに伴い広告のデジタルシフトも急激に進んでいます。
出稿した広告に対して、商取引やダウンロードデータなどの実数が可視化されるインターネット広告が当たり前になったことで、それまで「視聴率」を絶対的で唯一の指標としてきたテレビ広告をはじめとする4大マスメディアへの出稿にも、認知度、ブランディング効果だけでなく、コンバージョンの費用効果を測るCPAや、顧客獲得単価の指標となるCACなど具体的な費用対効果が求められるようになってきました。
広告宣伝費に対する費用対効果がシビアに見られるようになったことで存在感を増しているのが、この連載でも詳しく述べていく『運用型テレビCM』と呼ばれる手法です。
運用型テレビCMの詳細については別記事で詳しく説明しますが、簡単にいえば放送されたテレビCMに対して、これも本連載のキーワードの一つ『指名検索』がどれだけあったかを計測し、費用対効果を見る取り組みです。
この手法を用いれば、依然として大きな影響力を持ち、全世代に広く訴求力を持つテレビの“遺産“としてのレガシーを生かした上で、新たなマーケティングが行えるのです。
効果測定をデータドリブンで行う重要性と難しさ
マーケティングの効果を測る指標には、売り上げや認知度、購買意向度、CPA、LTV、コンバージョン率などさまざまなものがあります。最終的には売り上げが“結果”となるのですが、マーケティング、とりわけ広告の効果となると、どの要素がKPIとして適切かを判断するのは難しいと考えている人は多いのではないでしょうか?
デジタル化が進んだ社会では、オンラインとオフラインの境界はどんどんなくなっています。オンラインきっかけで起こされた行動はオフラインで実行され、テレビのトピックがSNSのトレンドになるように、オフライン発の情報もオンライン上に大きな影響を与えています。
オンラインとオフラインが入り交じり、より複雑化する広告効果を計測するため、ノバセルでは、ラクスルの成功例をもとに、指名検索という明確な効果指標を設け、データドリブンで客観的な分析と評価を行っています。
CM放映前後数分間に増えた指名検索数をCMの放映量で割った「指名検索スコア」を一つの指標とする指名検索は、メディアを横断したオンラインとオフラインを統合した効果比較が可能です。
オンラインとオフラインは二項対立では語れない
この連載を始めるに当たってまずお伝えしたいことは、テレビ対Web、旧メディア対新メディア、アナログ対デジタル、そしてオフライン対オンラインという二項対立でマーケティングをとらえてしまうと、大きなミスリードにつながってしまうということです。
10代をターゲットにした商品の広告にはテレビCMよりtiktokが有効でしょう。40代以上の高所得者向けの商品ならテレビCMの方が効果が期待できます。高齢者をターゲットにした健康食品などは、ラジオのショッピングで特によく売れています。
広告効果を最大化するためには、オンラインかオフラインか、どの媒体を利用するかではなく、「誰に」届けたいのか? からスタートすべきです。
オンライン・オフラインメディアの特徴
以下は、広告媒体としてのメディアの概要をざっくりと紹介したものです。
オンオフ統合マーケティングは「乗り遅れられない常識」に
マーケティングの世界でも「デジタルへの理解がない人はアナログで発想してしまう」のと同じように「デジタルしかわからない人はデジタルでしか考えない」という分断が起きています。
“デジタルネイティブ”世代と、アナログ世代のデジタルをめぐる格差は広がる一方ですが、どちらかに偏った施策を続けていては、せっかくの予算を無駄に使い続けることになります。
マーケティングに関わる人々の中でも、「ルールが変わってしまった」、「もしかしたらゲーム自体が変わってしまったかもしれない」という言葉が交わされている現在、これまでのやり方が通用しなくなっているのは衆目の一致するところでしょう。
ビジネス環境の変化によって発生した問題を解決し、あなたの会社の商品やサービスの素晴らしさを正しく伝える極めてシンプルなマーケティングが『運用型テレビCM』や『指名検索』を軸に広告効果を飛躍的に高めるオンオフ統合マーケティングです。
この連載では、激変したマーケティングに頭を悩ませる企業、担当者に向けて、普遍的なエッセンスはもちろん、弊社事例をもとにトレンドに合わせた「いますぐ使える」Tipsも盛り込みながら、オンオフ統合マーケティングについてお伝えしていく予定です。