【セミナーレポート】業界No.1の日本M&AセンターのテレビCM戦略とは!?

目次

    登壇者プロフィール

    九鬼 隆剛
    株式会社日本M&Aセンター 上席執行役員 デジタル統括部長 CDO

    九鬼 隆剛

    アビームコンサルティング株式会社にて業務改革・戦略案件に従事後、株式会社カカクコムへ入社。東南アジアにてメディア事業を立ち上げNo.1ポジションまで成長を牽引。2020年から株式会社日本M&AセンターにてDX戦略の責任者として、全社のDX戦略を推進・実行している。

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    登壇歴

    寄稿実績

    田部 正樹
    ノバセル株式会社 代表取締役社長

    田部 正樹

    1980年生まれ。中央大学卒業後、丸井グループに入社。主に広報・宣伝活動などに従事。2007年テイクアンドギヴ・ニーズ入社。営業企画、事業戦略、マーケティングを担当し、事業戦略室長、マーケティング部長などを歴任。2014年8月にラクスルに入社。マーケティング部長を経て、2016年10月から現職に就任。ラクスルの成長を7億→210億(6年で30倍)を牽引したマーケティングノウハウを詰め込んだ新規事業「ノバセル」を立ち上げ、マーケティングの民主化をビジョンに5年で80億を超える成長を続けている。業界問わず成長を求める企業の経営×マーケティングのアドバイザー。経済産業省主催「始動」講師/メンター。

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    登壇歴

    寄稿実績

    2022年7月28日、経営者やマーケティング担当者に向けて「業界No.1の日本M&AセンターのテレビCM戦略とは!?」と題したオンラインセミナーが開催されました。

    ネット印刷でおなじみのラクスルは、テレビCMの活用で7年で約42倍と飛躍的な事業成長を遂げることができました。ノバセルはその自社ノウハウをサービス化するとともに、独自開発したツールでテレビCMの効果を可視化。放映枠やクリエイティブを最適化するという、広告業界で初の「運用型テレビCM」サービスを提供しています。

    このセミナーを主催するノバセルが企画・制作を手がけ、現在関東エリアで放映されているのが株式会社日本M&AセンターのテレビCMです。

    セミナーは日本M&AセンターのCDO・九鬼隆剛さんをゲストに迎え、ノバセル株式会社CEO兼ラクスル株式会社CMO・田部正樹さんとともに登壇。
    テレビCMの出稿を決定した際の背景、当時のやり取りなどを振り返りながら、どのようにマーケティング戦略を立て、そしてノバセルが現在までどのように伴走してきたかを語っていただきました。

    日本M&Aセンターが抱える課題
    実績は業界No.1だが、認知度は遅れを取っている現状

    まずは九鬼さんより、日本M&Aセンターの事業内容と現在のマーケット、そしてテレビCMを始めたきっかけについてご説明いただきました。

    株式会社日本M&Aセンター 上席執行役員 デジタル統括部長 CDO 九鬼 隆剛氏

    日本には現在400万社強の企業が存在していますが、その9割以上が中小企業。九鬼さんによると、その3分の1に当たる約127万社に後継者不在・約60万社が後継者不在による黒字廃業の危機に瀕していると言われています。

    こうした後継者不在に悩む企業に対して、売り手と買い手をつなげてM&Aを仲介してきたのが日本M&Aセンターです。創業31年目を迎え、2022年3月期は成約数1,000件を達成。成約数はギネスブックで世界一と認められ、国内だけでなくグローバルに見ても非常に高い成約数であることがわかります。

    同社は金融機関や会計事務所とのネットワークを背景に高い情報収集力で強力なマッチング力を発揮しています。また経験豊富な専任コンサルタントのほか、50名以上の法務・税務・会計のスペシャリストを社内に揃え、ひとつひとつの案件をきめ細かくサポート。高い成約率で信頼性の高いM&Aを実現し、同社は12期連続で増収増益を達成しています。

    そんな業界No.1のポジションにありながら、あえてテレビCMを始めた背景について九鬼さんは次のように語りました。

    「私が入社してから取り組んできたウェブマーケティング施策の方向性も固まってきて、ウェブサイトのリード獲得数を4〜5倍まで伸ばすことができました。そこから更に大きく伸ばしていくには、テレビCMを活用し当社の認知を上げ、自社名での流入を上げていくのが重要だと考えました。

    そしてもう一つ、当社の認知や検索ボリュームはテレビCMを打っている同業他社に負けていることがリサーチでわかりました。社内では業界No.1の自負もあって、比較的認知度もあるだろうという空気がありましたが、ふたを開けてみると中小企業への認知がまだまだ浸透していない状況でした。また、この資金調達できるようなスタートアップが増えているといった状況なども踏まえ、今動くべきだと判断しました」

    ノバセル株式会社 代表取締役社長 兼 ラクスル株式会社 取締役CMO 田部 正樹

    「テレビCMで成功する要因の一つが、じつはウェブマーケティングということがあまり認識されていません。テレビCMは大きなリーチ媒体なので、認知した人のうちどれだけが会員登録したり購買に至るかを見るには、ウェブマーケティングの力が不可欠です。そこをやり切らないままテレビCMに踏み切って認知を取っても、うまく活かせないという会社が多いんです。

    日本M&Aセンターさんはウェブマーケティングの社内体制が整っていましたし、テレビCMをやる意味合いを強く持っていました。さらに競合他社がテレビCMをやっているかという観点も重要ですね。こちらもやろう、という決断が遅くなれば競合の認知がどんどん上がってしまい、それを取り返すための投資も膨らんでしまいます。そのリスクが顕在化する前に、迅速な意思決定ができたことも大きな成功要因です」

    それではここまでの話を元に、後半はQ&A形式でテレビCM戦略の舞台裏をさらに深堀りして聞いてみましょう。

    - 日本M&AセンターにQuestion -

    「テレビCM出稿にあたって、経営陣をどのように説得しましたか?」

    九鬼さん「今回、テレビCMの必要性について、想定効果を数値化したこと、また実施しなかった場合のリスクをしっかり整理したことがポイントだと思います。

    認知の現状と獲得すべき目標値、獲得した場合の指名検索数の増加率、現状の獲得コストと比較した際のテレビCMの費用対効果、投資額の試算。これらをしっかり計画値に落とし込んだので経営陣の意思決定につながったのでしょう。

    ちなみにこのあたりを数値化する際には、ラクスルがテレビCMを活用して成長を遂げた際の事例を参考にさせていただきました。(ラクスルはテレビCMで認知60%を獲得し、指名検索数も大幅に増加。投下したマーケティングコストは2014年から5年間で累計57億に及びますが、売上は20倍、CPAは半減するなど、高い費用対効果を発揮しました。)

    また競合がテレビCMを先行していたこと、当社の認知が予想より高くなかったこと、スタートアップの動きなどもリスクとしてわかりやすかったのだと思います」

    - 日本M&AセンターにQuestion -

    「ノバセルをパートナーに選んだ決め手は何ですか?」

    九鬼さん「まずはABテストで効果の出るクリエイティブを検証できるだけでなく、効果を番組ごとに可視化できるノバセルアナリティクスという心強いツールがあったことが挙げられます。

    そして当社の事業理解の解像度が非常に高く、クリエイティブの質も高かったことが大きな決め手となりました。他にも効果の可視化を謳う代理店もあり、実際に何度か打合せも行っていました。でも一度オリエンテーションしただけで、あそこまで本質を突いた提案をしたのはノバセルだけでした。『ニッポンには跡継ぎが足りない』というコピーも、我々の心に深く刺さりました」

    - ノバセルにQuestion -

    「どのような戦略設計で現在放映中のテレビCMに至ったのでしょうか?」

    田部さん「我々はWho(誰に)What(何を)How(どうやって)伝えるかを最も重視しています。WhoとWhatについては定量調査で確度を上げながら、ユーザー調査で市場構造を理解する。そしてターゲットとなる顧客のインタビュー調査でインサイトを理解し、その結果を踏まえてテレビCMを作るというステップを踏んでいます。ノバセルはこうした事前の調査・検証・戦略づくりに最も力を入れているのです。

    CM制作前の「調査・企画」に力を入れているノバセル

    今回は、日本M&Aセンターさんが大事にされている ‟M&Aは単なる事業売却ではなく、想いを乗せた一度きりの事業継承である” という考え方を、ユーザーの便益にどう翻訳するかがカギでした。 そこで生まれた方向性が①豊富な実績による安心感(機能便益)②事業継承によって経営者やその家族も幸せになれる(感情便益)というものです。

    また定量調査でターゲットの課題(例:「納得いく買い手を探してもらえるか不安」・「手数料が高そう」・「仲介会社の違いがわからない」)を特定し、複数のコンセプトでテストを行いました。その結果2つの戦略案「A案:ニッポンには跡継ぎが足りない編」「B案:成約式のドラマ化編」をクリエイティブに落とし込み、ローカルテストで検証することになったのです。

    ローカルテストは宮城と新潟で放映し、クリエイティブのABテスト、放映する番組枠の相性などを検証しながら、最適化を図っていきました。その結果A案のほうが効果の高さが見えたほか、放映中・放映後の認知度調査を通じて認知度の向上を確認でき、勝ちパターンが見えてきたのです。ここからスケールアップして現在の関東での放映に至っています」

    クリエイティブのABテスト、放映する番組枠の相性などを検証しながらCM出稿を最適化

    - 日本M&AセンターにQuestion -

    「今後のマスマーケティングの展望や取り組みについて教えてください」

    九鬼さん「今回は、いきなり全国ではなく、まず関東エリアでのスタートとなりました。とは言え重要なKPIである認知率はしっかり上がっていることが確認できているので、進捗を見ながら投資継続を判断し、しっかり認知を上げていきたいと思います。

    今後はより効果の高いクリエイティブを追求するとともに、YouTubeやオフラインなど他のメディアでも露出することでターゲットとの接触機会を増やして、さらなる認知の向上を図りたいですね。」

    - ノバセルにQuestion -

    「YouTubeへの出稿など、直近のトレンドについて見解を教えてください」

    田部さん「テレビCMかYouTubeかという議論より、誰に何をどうやって伝えるかを明確にすべきです。20代30代を狙うならテレビとの接触は減少しているのでYouTube、もっと若年層ならTikTokが効果的でしょうし、50代60代ならYouTubeよりテレビの方がいいでしょう。トレンドを追うよりターゲットとして取るべきところ、取れていないところをまず明確にすべきです。

    最近はBtoBにおけるYouTubeの成功事例が増えており、ノバセルもテレビCMだけでなくYouTube、タクシー広告など提案の幅が広がっています。マーケティング戦略を事業に寄り添ってサポートするのが我々の強みなので、課題や悩みを抱えている企業の方は気軽に相談してほしいですね」