テレビCMによって急速な事業の成長に成功。スピード感を持ってスタートアップに伴走できる パートナーであることがノバセルの魅力

テレビCMによって急速な事業の成長に成功。スピード感を持ってスタートアップに伴走できる パートナーであることがノバセルの魅力

「テレビCMで効果が出るのか不安だった」

―― 2015年に「Laxus」アプリをローンチされ、初めてのテレビCMの放映に踏み切られたのは2019年です。それまで、テレビCMを流すかどうか2〜3年悩まれていたとのことですが、当時悩まれていた理由と、それでもテレビCMを放映することを決断した理由を教えてください。

「サービスをローンチした当時はまだ、『ブランドバッグのシェアリングサービス』と言っても、みんな『どういうこと?』って感じだったんですよね。今なら高級車だの高級家具だの、さまざまなシェアリングが登場してすぐにピンとくると思うんですが、『Laxus』の認知を広げるよりも『ブランドバッグのシェア』『ブランドバッグの使い放題』という概念そのものの認知を広げるほうが先ではないかと、二の足を踏んでいたんです。テレビCMの15秒という枠の中でサービスの概念そのものを理解させて、かつ『Laxus』を認知させるのは難しい。シェアリングサービスそのものの認知がある程度広まったタイミングと、バッグが大量に入荷できることがきまったタイミングが重なって、ようやく最初のテレビCMの放映に踏み切れたという感じです。

そもそもテレビCMについて検討していた2、3年の間に情報収集をしていた中で、『テレビCMに2億円を投じたけれど問い合わせの電話が数件しかなかった』といった声を聞いたりして、費用対効果に対する不安が拭えなかった。それは大手の広告代理店と話しても変わりませんでした。かっこいいクリエイティブの提案はしてくれるけど、効果が見えてこない。テレビCMって、クリエイティブの中身だけでなく、どの番組に当てるか、時間帯はどうか、放映地域はどうするかなど、変数が多すぎて、仮説が立てづらい。投資額の割にリスクしか感じられなかったんです」

「事業成長のために伴走してくれるパートナー」

―― そうした中で、テレビCM制作・放映をノバセル(2019年時点ではラクスルのテレビCM放映サービス)に依頼された、“決め手”はなんだったのでしょうか?

 「ノバセルは、変数を整理してデータ化して出すところまでやってくれて、しかも低料金で検証もできる。スタートアップにとっては、うってつけの条件でした。

加えて、決め手と言われたらやはり、(ラクスル取締役CMOの)田部(正樹)さんの存在ですね。信頼を通り越して、もはやファンです(笑)。広告代理店の方って、社長の作りたいものを作って失敗しているイメージが強かった。でも田部さんは、それをやってしまったら失敗する、ということを気づかせてくれるんです。これまで培ってきた経験と情報の両方を持って、判断しやすいように説明してくれるからこそ、納得できる。そして最後は自分で答えを導き出せるように誘導してくれるんですよ。ノバセルのことを広告代理店と捉えたことはなくて、私たちの事業のことをしっかり理解して、事業成長のために伴走してくれるパートナーというほうがしっくりきます。実際、田部さんと出会っていなかったら、事業成長が1年は遅れていたんじゃないかと思うんです。スタートアップにとってはやはり、タイミングをいかに逃さないか、そのためにどれくらいスピード感をもって対応できるかが一番大事ですから」

「 約1ヶ月で放映できるスピード感。チャンスを逃しませんでした」

―― スピード感、というのは具体的にどういった部分なのでしょうか?

「例えば、2回目のテレビCMは、2020年のクリスマス頃に『テレビCMを流すなら今だな』と思って、ノバセルに最速で作りたいと相談したんです。年末年始の休暇があったので、実質動き出したのは1月の初旬頃だったんですが、2月には放映に漕ぎ着けている。実働期間は2週間ほどだったと思います。しかも今回のCMはドラマ仕立てにして、よりサービスを利用しているイメージを伝えられるものにしたかったので、女優さんのキャスティングも重要でした。

コロナ禍でみんな外出しなくなったので、バッグって使わなくなるだろうと思ってしまいがちなんですが、実は『Laxus』の利用者も、その利用頻度も大きく減少することはなかったんです。むしろ、自分の消費行動を立ち返ってみると、Amazonで食品を購入する機会は増えたけど、じゃあ自宅に食品がないから、今すぐ必要だから買っているのかというと、そうとも限らない。ストックは十分にあっても、リモートワークによってテレビやネットを見ている時間が増えたことで、欲しくなってつい買ってしまっているものが大半でした。つまり、結局のところは、人の消費における一番の起爆剤は、『必要だから』ではなく『欲しいから』という気持ちなんです。リモートワークの影響でユーザーのテレビ視聴時間が伸びていることも明らかでしたから、新規ユーザーを獲得するためにテレビCMを打つなら、今だと思ったんです。こんな時期だからこそ、買うのは躊躇するけど、新しいものはやっぱり手にしたいという方を取り込むチャンスだ、と。

実際、その読みは当たって、すぐに大きな反響がありました。ここでもっとサービス内容がわかりやすいCMを流せばさらに効果があるはずだと思って、3月の中旬に『すぐにもう一度CMを打ちたい』とノバセルに連絡したんです。かなりタイトなスケジュールは承知でしたから、さすがに断られるかなと思ったんですが、『やります』と言ってくれた。結局1週間でまとめてくれて、3月末には新たなCMを流すことができました。決断してから放映、また効果を見ながら次の一手を打つまでのこのスピード感は、ノバセルでなければ無理だったと思います」

「CM放映後に、獲得ユーザーは2倍近くへ」

―― 2019年に最初に放映されたテレビCMと、2021年2〜3月にかけて放映されたテレビCMとでは、目的や効果に違いはありましたでしょうか?

「2019年に放映した最初のCMは『Laxus』のサービス認知を高めることが目的だったのに対して2021年に放映した2回目のドラマCMの時は、ユーザーを獲得しにいったんです。実は、初回はそれほど効果がよかったわけではないんです。CMを打つだけで、特にほかの施策をしなかったことも大きいと思います。

そこで今回は、『ユーザー獲得』という明確な目的がありましたので、ターゲット層に目線を合わせて、テレビCMの放映と同時にHPのバナーなどもすべて連動するクリエイティブに変更することで、導線をよりわかりやすくしました。結果、2、3月のCM放映後はユーザーが2倍近く増えています」

「欲張らず、シンプルなメッセージを」

―― 今後、御社のようなスタートアップが成長戦略としてテレビCMを打つ時気をつけるポイントがあれば、教えてください。

「まずは伝えたいメッセージは絞ったほうがいいと思います。『Laxus』の最新のCMも、3つくらい伝えているように見えて、実は『バッグが借りられるよ』ということしか伝えていないんです。2019年に放映したCMでは月額使用料なども入れていたんですけど、今回はバッサリと切りました。『せっかくお金かけるから、あれもこれも伝えたい』と欲張ってしまうと、結局視聴者の頭に残らない。できるだけシンプルにしたほうがいいですね。

ただ、そのメッセージも、“消費者目線”で伝えることが重要です。私たちは、『Laxus』のサービスを通してエシカルに良質なファッションを楽しむ体験をユーザーに届けたいと考えています。ただ、いきなり『ラグジュアリーを借りる』というより、『ファッションを楽しむ』、『エシカルな消費行動を』よりも『失敗しない通販を』という、よりユーザーの目線にたったメッセージでなければ、なかなか浸透しません。ハイブランドのバッグを失敗なくいろいろ使いまわせるようになることで、ファッションをより気軽に楽しむ人が増える。その先でエシカルな消費行動、サスティナブルな社会について考えてもらえるようになればいい。いつだって経営者の目線は現実よりも高いところを見ていますから、まずは目の前に“目線を下げる”ことが必要です。そう気づかせてくれたのも、田部さんなんですよ。事業パートナーとして正しい方向に導いてくれることも心強く思っています」

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