テレビCMでのターゲティング放映で デジタル広告ではリーチできなかった 求職者の獲得に成功!
「成長するためにはオンラインだけではなく、オフラインの展開も必要」
―― 御社の事業内容と寺町様の業務内容について、改めて教えてください。また、複数の事業に従事されるなかで、「ジョブメドレー」のテレビCMを放映を実施した経緯や当時抱えていた課題について教えてください。
当社は「医療ヘルスケアの未来をつくる」のミッションのもと、医療介護の求人サイト『ジョブメドレー』の運営に加えて、医師たちがつくる患者のための医療情報サービス『MEDLEY』、オンライン診療や電子カルテなど医療機関の業務効率化を支援するクラウド診療支援システム『CLINICS(クリニクス)』の開発・運営などを行っています。私自身は、toB、toC全般のマーケティングをオンライン、オフラインにかかわらず担当しています。マーケティングは基本的にすべてインハウスで行っているのですが、非常に少人数な体制です。
テレビCMを利用するまで、私たちはインターネット広告で求職者を集めていました。ただ、サービス提供開始から10年、順調に拡大してきたものの、打ち手の幅が狭くなってきていたんです。さらに成長するためにはオンラインだけではなく、オフラインの展開も必要だろう。そう考えたのが、テレビCMを検討するに至ったきっかけです。当時、テレビCMを打つインターネット系の企業も増えてきていて、それによる成功例も見えてきていました。いくつかの代理店に話を聞いてみたところ、思ったよりも費用も抑えられる。オフライン施策の中で“努力対効果”が最大になりそうなのはテレビCMだろうということで、制作に踏み切りました。
「重要なのはスピード感と、効果にどれだけ直結するかという戦略的な運用」
―― いくつかの代理店を検討した中で、ラクスルのテレビCMサービス「ノバセル」に決めた理由はなんだったのでしょうか?
一番の理由は、テレビCMを打つことによって自分たちが得たいゴールに対する目線が近いと感じたことです。もともとラクスルさんの事業を成長させるためにCMを実施され、そのノウハウをノバセル事業に展開しているという背景があるからかなだと思っています。私たちにとって特に重要なのはスピード感と、効果にどれだけ直結するかという戦略的な運用でした。デジタルマーケティング同様に、いろいろ試して、どんどん数値を見て、チューニングしていく。そういう作業ができるのもノバセルだろうなと感じたことが、決め手になったと思います。
―― ノバセルでテレビCMを実施して、「よかった」と感じたことはありますか?
1つは、作業の進め方です。普段、社内メンバーのみでマーケティングを行っているので、ノバセルの担当の方から率直に意見を言ってもらえて、とてもやりやすかったです。社外・社内関係なく『いいもの作ろう』と、同じ方向を見て進めていただいたなと感じます。
2つ目は、これはノバセルの交渉力なのか、パーコスト(世帯/個人の視聴率1%を獲得するために要する費用を金額で示した数値)、CMの買付コストが比較的安いにも関わらず、枠の調整ができた点もよかったですね。
そして3つ目として、データ分析ツール(現・ノバセルアナリティクス)が利用できたことも大きかったです。実は、1年目は、CMを放映した番組のジャンル、その出演者、そして時間などをすべてスプレッドシートに手作業で入力し、BigQueryのデータとマージしてCMが影響したと思われる登録者を数値化して効果測定を行っていました。そのため、なによりその時間が省けるようになりましたし、何時何分にCMが流れたかなど、より精密に効果測定できるようになったこともよかった点です。
「 WEBでは獲得できていなかった登録者の取り込みに成功した」
―― 2年目も再びノバセルでテレビCMを実施しようと考えた理由を教えてください。
正直なところ、2年目も最初はいくつかの代理店に話を聞きました。1年目は、宮城、静岡、広島というローカルエリアでの放映でしたが、2年目は関西や東海といった、より規模の大きいエリアで放映を考えていたので、そうなると大手の代理店さんのほうが番組の枠の買付けが有利なのではないかと思ったからです。結果的に、どの代理店さんであっても大きな差がないということがわかりました。一方で、『ここの番組に入れたい』という融通が一番効いたのはノバセルだったと思います。
ノバセルは、テレビCM実施1年目のデータが蓄積され、親和性の高い番組の傾向などはわかっていたので、そこを考慮してもらいつつ、そのほかにチャレンジしたい枠などもご相談できたことが、またお願いしようと決めたポイントのひとつです。
―― テレビCM放映後の効果について
CM放映後、登録者数は伸び、もともと期待していた効果は得られました。WEBのほうがピンポイントに訴求できるため専門職は集まりやすいですが、マスに向けて打てたことでWEBでは獲得できていなかった登録者の取り込みに成功したと思います。同時に、CM放映エリアで新規営業を強化することで、副次的効果も得られました。私たちのお客様は、医療介護業界の方々です。開業医の先生方をはじめ、50〜60代の経営者も少なくありません。そうした方々にとっては、“テレビCMを流している”という点が安心感、信頼感につながるため、対顧客のイメージアップにもつながったと感じます。
一方で、訴求軸についてはアンケートや市場調査なども行い、何度も検討したものの、新たな切り口を導き出すまでには至らなかったのかな、というのが今後の課題です。今後、『求人数No1』という打ち出し以外に、より効果が得られるようなものが見つかればいいなと思っています。
「短期間でもどんどんクリエイティブを変更できる、よりPDCAのスピードが上がることを期待しています」
―― 今後のノバセルに期待することは何でしょうか?
私たちのサービスの場合、テレビCMを打ちやすい時期は年に1度、1〜3月です。そのため、年に何度も放映できる会社さんと比べて、1度の放映期間が短く、その間にクリエイティブのチューニングを行うことが難しい状況です。そこで、短期間でもどんどんクリエイティブを変更できる、よりPDCAのスピードが上がることを期待しています。
もちろん、事前にクリエイティブをいくつか準備しておくという選択肢はあると思うのですが、実際の反応を見ながら変えていけるとより効果が上がるのではないかと考えています。