アプリのみならず”ウェブマーケにも強いRepro”を周知したかった
アプリのみならず“ウェブマーケにも強いRepro”を周知したかった
―― まず最初に、どのような課題や目的があってCM放映を検討するようになったのか教えていただけますでしょうか。
實川様:「「Repro」はウェブとアプリの総合的なマーケティング支援をおこなうプラットフォームですが、もともとアプリの分析ツールからスタートした経緯があるからか、弊社自体、いまも“アプリマーケティングの会社”として認知されがちなところがあります。実際にはアプリだけでなくウェブのマーケティング支援にも注力していますので、それを周知したかった。具体的にはCMを放映することで、おもにウェブ領域における認知面の課題を解消し、問い合わせや導入相談件数を増やしたかったということですね。
―― CMの放映および制作を検討するなかで、パートナーとしてノバセルをお選びになった理由は?
實川様:ノバセルさんのお名前は以前から知っていたので、CMの放映を検討するにあたっていくつかお声がけしたなかで、ノバセルさんにもご連絡しました。その後、数社から提案をいただいたなかでノバセルさんにお願いする決め手になったのは、事前の入念なリサーチと弊社のビジネスに対する理解度の深さ、それらにもとづいた緻密なプランニングです。マーケティングツールをめぐる市場調査やユーザーのアンケート結果を分析したうえで、Reproはいま業界内でどのようなポジショニングにあり、CMでだれになにをどのように訴求すべきなのかを非常にロジカルにプレゼンしていただきました。
われわれにも「こう訴求すべき」という仮説はありましたが、ノバセルさんが戦略の根拠として見せてくれたデータはわれわれの仮説とぴったり一致し、かつ、それを補強するような内容でした。私だけでなく、その場にいたメンバー全員が、全体的な方向性としてはほとんど非の打ち所がないプレゼンだと感じたようです。
ノバセルの提案で刺さったのは定量調査に基づいた戦略
―― ノバセルからのご提案のなかでも、とくに刺さったポイントがあれば教えていただけますでしょうか。
實川様:まず戦略面に関しては、競合他社との差別化です。いま世の中にはさまざまなデジタル接客ツールやMAツールがあふれていますが、それぞれのツールの魅力や特徴の違いがどこにあるのか、ユーザーにはうまく伝わっていないのが現状ではないでしょうか。そんななか、私たちとしてはReproの最大の強みはツール自体のクオリティだけでなく「専任スタッフが運用をしっかりとサポートし、成果を出す」点にあると考えています。
というのも、私たちが独自におこなった調査では、ウェブやアプリのマーケティングツールについて「導入しても自分たちでは使いこなせない」「運用・導入のサポートが重要」と考える人の割合が6~7割を超えることがわかっていたからです。だからこそ「人によるサポート」はReproの強みであり、他社との決定的な差別化要素になるはず、と思っていました。
ノバセルさんはリサーチによって私たちの仮説を裏づけ、補強したうえで、「人によるサポート」を戦略の中心に据えてくださった。さらに、その戦略をクリエイティブ面にも落とし込み、「リプロは、プロがつく。」というキャッチーなタグラインを軸にしたCMを提案してくれたんです。いずれのCM案も素直に「それ、いいね」と思えるものだったので、戦略面に加えてクリエイティブ面でも方向性には大きな納得感を得ることができました。
―― 企画段階では高評価をいただいたようですが、実際のCM制作はスムーズに進んだのでしょうか?制作過程におけるノバセルとのやりとりなど、なにか印象に残ったことがありましたら教えてください。
實川様:ツール自体の魅力と「人が付く」ことの魅力の双方を、30秒という短い尺のなかでいかにわかりやすく伝えるか。その点には苦労しましたね。たとえばタグラインを「リプロは、プロがつく。」から「リプロはツールにプロがつく。」に変更してもらうなど、CMで使う台詞や文言について、実際の画面を見せてもらいながら何度もノバセルさんとやりとりしたことが印象に残っています。
指名検索数の増加のほか、“刷り込み”の副次的効果も
―― 今回、CMを放映するメディアとしてタクシーCMとエレベーターCMを選ばれています。なぜでしょうか?
實川様:われわれのようなBtoBビジネスでは、キーマンアプローチが重要になります。決裁者層や役職者層を狙い撃ちできるメディアとして、もっとも効率が良いものはなにかと考えると、おそらくタクシーだろうと。マス広告を打つのは今回が初めてだったこともあり、テスト的な意味合いも込めて、まずはタクシーCMでKPIにどのような改善があるかを試してみることにしました。同様に、オフィスビル内のエレベーターでCMを放映したのもビジネスユーザーのみにターゲティングできると考えたのが理由です。
―― タクシーCMとエレベーターCMを放映した後の効果はいかがでしたか?
實川様:タクシーCMについて言うと、KPI的な効果としては指名検索数が増えました。具体的には、CM放映週と翌週の指名検索数がそれ以前の1.2倍ほどになった。導入検討数に関しても、現時点ではCM放映との明確な相関性を算出するには至っていないものの、CM放映後に問い合わせ件数が増えたことは間違いありません。また、数値化できる成果以外では、個人的に知人や友人から「CMを見た」と言われるようになったと実感しています。
他方、エレベーターCMについては、検索数や問い合わせ数の増加といった反響はほとんどなかったのが正直なところです。ただ、弊社のセールスがお客様を訪問した際に、先方から「ついさっきエレベーターでCMを見ましたよ」などと言われたりすることがあるようで。おかげで先方がすでにプロダクトのことを知ってくださっていた、商談の入りがとてもスムーズだった、なんて声がセールスの現場からは聞こえてきていますね。
じつはそうした“刷り込み”的な効果もCM放映に際して重視していたことで、今回のCM放映に合わせてリアルイベントへの出展数を増やしたり、ウェブで認知広告を展開したりと、相乗効果を狙った施策を意識的におこないました。そのほかにも、Reproのプロダクトサイトのデザインを一新したり、スタッフのイベント登壇時などに冒頭でCMを流すようにしたり。せっかく大々的に広告を展開するのだから、これを機に連続したユーザーエクスペリエンスを提供しようと、あらゆるアウトプットをCMのクリエイティブ戦略に沿ったものに統一するようになりました。
―― それでは最後に、今後検討している施策、あるいはノバセルに期待することがあれば教えてください。
實川様:われわれが関わっている市場、そして、なによりもReproというプロダクトの魅力や特徴を深く理解してくださっている良きパートナーとして、今後もいろいろなことを相談させていただければうれしいですね。