アーリースタートアップでもテレビCM施策を実現!「同じ目線で成果に向き合うノバセルは事業グロースのためのパートナー」
「花をもっとカジュアルに楽しんでもらいたい」
―― 「bloomee」(「Bloomee LIFE」)のサービスローンチから5年が経ちました。そもそもどのような背景があって、このサービスをスタートされたのでしょうか?
「もともと当社では花のプレゼントサービスを提供していたんです。ただ、ヒアリングをしていくとプレゼントのカテゴリとして、『花』は選ばれにくいことがわかってきました。実際、マーケット全体で見ても、プレゼントを含め年間で花を全く買わない人が6〜7割なんです。そもそも花を買うという行為自体ハードルが高くて、『花屋さんに入りにくい』『帰宅ついでに買うと扱いに気を使う』『そもそも買って帰るのが面倒くさい』という層にもっとカジュアルに楽しんでもらうためにはどうしたらいいのかを考えた結果、定期便サービスに移行することになりました。
実際、現在『bloomee』のお客様の7〜8割はこれまで花を買う習慣がなかった人たちです。実は、花のサブスクリプションというと利用者のほとんどが女性だと思われがちなのですが、男性の利用者も28%と、徐々に増えてきています。コロナ禍で自宅にいる時間が多くなり、毎日同じ場所で生活も仕事もしていると飽きてしまう。花は“変化させること”が得意なので、同じインテリアでも花が毎週変わるだけで印象が変わると、好評いただいています」
「まずwebマーケティングの強化から始めました」
―― これまでWEBマーケティングに力を入れていらした印象があります。どのような施策でサービス認知を拡大させていらしたのでしょうか?
「僕がユーザーライクに入社したのが3年前になるのですが、WEBマーケティングをはっきりと強化したのは2年ほど前からです。それまではチャーンレートが悪く、データの分析体制もほとんど整っていませんでした。そのため入社後まずはオペレーションを整える作業とUXの構築、また利用者に直接お会いしてヒアリングをすることなどを行っていました。ベースもできて、シリーズBの資金調達が完了したタイミングで、マーケティングを強化し始めたんです」
「TVCMがスタートアップの現実的な選択肢となる」
―― そうした中で、ノバセルと共に制作されたテレビCMが最初に放映されたのは、2020年7月です。テレビCMを放映しようと決められたきっかけはなんだったのでしょうか?
「今後、シリーズCからDと、資金調達が次のステージに進んだ時に、テレビCMという大きなマーケティング施策を、スピード感を持ってやらなければならないと考えていました。そのためにはシリーズBの段階で、どんなCMが効果的なのか検証しておきたいという思いがあったんです。ただ、金額の想像もつかないし、データを積み上げることが目的だけどそれができるのかもわからない。マーケティング担当なら誰だってテレビCMを意識はしているけれど、打ち手として候補に上がってこないんですよね。スタートアップの初期のフェーズとして、テレビCMは投資額が大きすぎて選択肢にならないんです。
そんな時に、ノバセルというサービスが世の中に出てきて、初めてのテレビCMという選択肢が現実味を帯びました。ノバセルならスタートアップでもテレビCMを流せるんじゃないかと。それですぐにコンタクトを取らせていただき、ローカルエリアでのテスト放映に踏み切ったんです」
「顧客は誰か。同じ理想に向かって伴走するパートナー」
―― ノバセルを選んだ決め手は何だったのでしょうか?
「ノバセルのリリースなのか、広告を見たのか媒体をはっきりとは覚えていないんですが、そこに打ち出されていた『顧客は誰ですか? 何を伝えますか?』というメッセージが僕にはすごく刺さって、強く印象に残ったんです。
当社では3年間ずっと、毎月利用してくださっている方たちの自宅を訪問し、ヒアリングをして、顧客の本当のニーズは何かを考え続けてきました。顧客の解像度を上げて、顧客の『嬉しい』『楽しい』を高めることが僕らの便益なので、そこに向けたCMを打ちたいし、同じ理想を持って作ってもらえるパートナーに併走してもらいたい。それがノバセルなら可能なんじゃないかなと感じたんです」
「成果が出るクリエイティブに向き合う」
―― まずは富山でテストをして、2021年3月には関西で、5月には関東でCMの放映を実施されています。それぞれクリエイティブも変えていらっしゃいますが、先におっしゃられていた通り、データを積み重ねていった結果、チューニングをされたということなのでしょうか?
「そうですね。テレビCMの効果分析ツール『ノバセルアナリティクス』を活用しているんですが、そのダッシュボードだけでもかなり細かく数値を出してもらっています。一方、それだけだとわからない部分もあって。結局自分たちでも、CM放映からコンバージョンまでのプロセスを全部見られるようなシステムを作ってデータを取っていたんです。
そうした中で、ローカルエリアでのテスト放映で、ある程度クリエイティブの勝ち筋は見えたので、それをもって次のクリエイティブを用意したのですが、3月に放映を開始してすぐに『これはまずいな』という結果になりまして……もともとは関西の放映期間終了後すぐに、同じクリエイティブで関東エリアでの放映をスタートさせるはずだったんですが、データを分析して急遽、作り直すことにしたんです。
この時に、ノバセルの外部パートナーの方にもチームに入っていただき、クリエイティブのレビューをしていただきました。僕からすると、絵コンテを見せてもらっても『良さそう』とか『これはかっこいいかも』とかしか思えなかったんですけど、たくさんテレビCMを作ってこられた先輩方からすると、修正すべき点は一目瞭然。そのレビューを真横で見させていただいて、こういう訴求をしたい時はこういう点に気をつけないといけないのかとか、この表現は伝わりにくいとか、そのナレッジも勉強させてもらいました。
同時に、クリエイティブを作り直すということになって、田部さんは成果を出せるテレビCMを短期間で作るために、最高のチームを組んでくださったんです。結果、1カ月たらずでクリエイティブを新たに作っていただき、5月末から関東で放映することができました」
―― CMの効果はいかがでしたか?
「残像効果までしっかり見ているのですが、やはりCMの反響は大きく、コンバージョンはしっかり伸びました。予想外だったのは、仕入れ先となる市場や農家さんに業務提携の依頼をしに行く際、『テレビCM見たよ』と言ってもらえることが多く、契約がスムーズに進むようになったことです。僕たちの仕事は仕入れが大切なので、認知が取れたことで話を聞いてもらいやすくなったことは大きな効果でしたね。
ほかにも、今、さまざまな企業とのコラボレーションを進めていて、その交渉の場でも、テレビCMを流したことが潤滑油になる場面が多々あります。僕たちは今、まずは花を受け取るという体験をしてもらおうと、某飲料メーカーさんなどに商品に花をつけて送るギフトセットの提案を進めています。大手企業さんと交渉する際に『テレビCMをやってるあのbloomeeね』という認知があるだけで、話の進み方が全然違うなと感じました。
「テレビCMは魔法ではない」
テレビCMはPDCAをしっかり回せる施策だと思うので、今後もブラッシュアップをしていきたいですね。次は放映後にレバレッジが効く場所を増やしていきたいと思っています。例えば先ほどのギフトセットについてCMを打てば、その利用率は上がるはず。意図的に副産物が得られるように戦略を立てていければと。
以前、インタビューで田部さんが『テレビCMは魔法ではない』とおっしゃっていて、本当にその通りだなと思うんです。CMを打たなくても事業は伸ばせるけれど、いつか頭打ちになる。その時を見極めてCMを打たないといけないし、同時にただ打つだけではダメなんですよね。CMの効果、成果を出せるよう、しっかり準備しながら継続していきたいですね」
「誰を事業パートナーとして選ぶか」
―― 御社にとってノバセルはどんな存在でしたか?
「単なるテレビCMの制作・放映におけるパートナーということではなく、事業グロースにおけるパートナーとして併走していただいているなと思います。スタートアップにおける資金調達の相談や採用の相談なんかもさせていただいていますし、フェーズに合わせて必要な外部のキーパーソンも惜しみなく繋いでいただいた。組織全体のことも相談に乗ってくれて、成長速度を加速させてくれる、これ以上ないパートナーです。
スタートアップとしては、テレビCMの施策は片腕を切り落とすくらいの気合いがなければできません。いくら地方でテストして、そのナレッジを持って関東で放映することができるとは言っても、やはり確率論の世界なので、それが本当に当たっても当たらなくても片腕は賭けることになる。じゃあ、そんな大博打をする時に誰をパートナーにしたいか。僕は、ノバセル以外の選択肢はなかったですね」