「デジタル広告運用の最適予算配分」に悩む企業が増加中。その背景とは?

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近年、企業のマーケティング活動において、デジタルマーケティングの重要性が大きく高まっています。実際に、広告市場規模の変遷を見てみると、過去10年でデジタル広告への投資予算は3.7倍と急激に伸長していることが分かります。

また、GoogleやYahoo!、YouTube、TikTokをはじめ、デジタルマーケティングで活用される広告媒体の種類とメニューは増大しています。加えて、各媒体に搭載されたAIの発展にともない、入稿後の広告運用が自動化するなど、媒体自体もさまざまな進化を遂げてきています。
デジタルマーケティングそのものが発展する一方で、取り巻く環境の大きな変化にともない、広告主にとってデジタル広告の運用面で新たな課題が次々と生まれているのが現状です。
具体的には、媒体の急増による運用の複雑性の高まりや、デジタルマーケティングの専門人材の不足などが起因し、多くの企業で非効率な広告投資が発生してしまっていることが挙げられます。さらに、今後のサードパーティーCookie規制で、投資対効果の大幅な低下も見込まれており、広告主にとってその打開策を講じることは急務になっています。
実際に、当社が「デジタル広告運用に関する課題」について、マーケティング関連業務従事者を対象に調査*を実施したところ、デジタルマーケティングそのものが新たな局面を迎えるなかで、広告主が以下の悩みを抱えていることが浮き彫りになりました。
まず、「WEBマーケティングの運用に関する課題」について、ここではGoogle検索連動型広告において「自社アカウントを利用し、社内の担当者にて運用している」「自社アカウントを利用し、業務委託の担当者が運用している」「自社アカウントを利用し、代理店の担当者が運用している」「代理店の作成したアカウントを利用し、代理店の担当者が運用している」という4つの運用パターン別での調査した結果、以下のような回答が寄せられました。
WEBマーケティングの運用に関する課題




WEBマーケティング運用の内製化に関する考え


調査の結果、多くの広告主が「WEBマーケティングの運用を内製化したい」と考えているものの、実際には現状は専任担当を置かず、広告代理店などの協力会社に任せ切っている割合が依然として高い傾向にあることが分かります。
主な理由として、やはり「自社にノウハウがないため」「データ分析や活用が難しいため」という回答が多く見受けられました。その背景には、企業のマーケティング担当者が数年でジョブローテーションをしてしまうため、社内に知見がなかなか蓄積されないこと、そして広告代理店側で各媒体の管理画面のアカウントを発行・運用しているために、広告主は広告代理店が運用した後の実施結果しか見られないことなどが考えられます。
このような状況下で起こりがちな運用面での課題に、知らず知らずのうちにサチュレーション(=摩耗)した媒体に広告予算を投下し続けてしまうこと、またCPA(=一人あたりの獲得コスト)の非効率さに早期に気づけないことなどがあり、結果として意図せず無駄な予算消化が発生することにつながっています。
広告主自身が非効率な投資からの脱却に向けて運用方法を見直したいと思っても、改善のノウハウや細かくチェックするリソースが社内に無いために課題が積み重なり、適切な対策ができないケースが多く見られます。そうして、広告代理店などの外部パートナーに対して戦略的な指示を出す体制が整わず、最適な予算配分ができないままの運用を繰り返してしまいます。
以降の記事では、デジタル広告運用の「最適予算配分」を阻む原因を具体的に取り上げていきます。課題解決に導く方法も併せてご紹介しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
*調査概要
WEBマーケティング関するアンケート
調査方法:インターネット調査
調査期間:2025年1月14日~1月16日
調査対象:全国、22歳~59歳、マーケティング業務に関わりのある人、WEB出稿予算1,000万円以上/月
調査回答数:338名
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【ノバセル アナリティクス for デジタル】
認知・獲得を組み合わせた各媒体の効果と相関性を可視化し、デジタル広告の予算配分を最適化
