積立型デジタルマーケティングへの移行に向けて、 獲得広告で重要な「増分CPA運用」はどう実行すべき?

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デジタルマーケティングを取り巻く環境が変化するなかで、複雑性と煩雑さが増すデジタル広告運用。前回の記事では、今後広告主が取り組むべきは「積立型デジタルマーケティング」への移行であると述べました。そのうえで、獲得状況に合わせて最も効率的な予算配分を媒体横断でおこなう「最適予算配分」の実現に対して、獲得広告においては「増分CPA運用」の実践が重要だと説明してきました。本記事では、具体的な実施方法をお伝えしていきます。
前回の記事のおさらいになりますが、まず、「増分CPA」とは、現状予算から増額し追加で1CVを獲得するために必要なコストのことを言います。その運用方法である「増分CPA運用」とは、追加の予算配分の判断基準を「CPA」ではなく「増分CPA」に設定し、増分CPAが最小となる媒体・キャンペーンに予算を投下することで、全体CVを最大化する運用を指します。
増分CPA運用の実施により、一般的な運用方法と比較して同一予算のまま獲得効率を高めることが可能です。
広告代理店などの外部パートナーにディレクションすべきは、「素材判断→予算配分→実施検証」の結果内容
この増分CPA運用の考え方を活用しながら、広告主が広告代理店などの外部パートナーに運用ディレクションすべき項目とは、大きく「素材判断」「予算配分」「実施検証」の結果内容の3つです。

〈素材判断〉
クリエイティブ別の増分CPAを見ながら、サチュレーションが進んだクリエイティブを早期に特定します。それと同時に、新たなクリエイティブに差し替えるなどの停止・更新判断をしたうえで運用ディレクションをおこないます。
〈予算配分〉
広告施策別の獲得実績を見ながら、媒体やメニューなどの予算配分シミュレーションに取り組みます。コストカットの改善余地を確認したうえで、予算設定の変更指示を含めて運用ディレクションをしていきます。
〈実施検証〉
上記で出した予算配分シミュレーションの内容とその実施結果を突き合わせ、改善効果を検証します。広告代理店などの外部パートナーにも共有し、次回の予算設定に活かしていきます。
これらの実行を通じて高速PDCAサイクルを回していくことで、「最適予算配分」の実現につながっていくのです。
インハウス化の推進に必要なのは、「網羅性のある解析ツールと高度な専門知識」
しかし、いざ実際に「増分CPA運用」をキーワードに、広告主が広告代理店などの外部パートナーに対して運用ディレクションをおこなう「インハウス化の体制づくり」を推し進めようとすると、網羅性のある解析ツールや高度な専門知識が必要になります。
ツールに関しては、多様な媒体の一括解析が可能なダッシュボードの導入を、専門知識への対応は、依然として専任担当の採用が難しい場合は広告運用経験の豊富な外部プロフェッショナル人材をアサインし、コンサルティングと伴走を依頼する方法があり、この2つを適切に組み合わせて活用することが有用でしょう。そして当社では、ツールとプロフェッショナル人材の伴走サービスの両方を提供しています。
当社が提供するツール「ノバセル アナリティクス for デジタル」は、特許出願中*¹の統計処理・機械学習を組み込んだ技術により、獲得施策と認知施策を掛け合わせた広告効果を一目で可視化できます。また、デジタルマーケティングの運用効率や予算投資の最適化プロセスを独自技術で自動化します。前々回のコラムで記載したような、予算配分における約2,500億パターン以上*²もの組み合わせを瞬時に分析し、約10分で最適なプランを作成できることが特徴です。そうして、目先の獲得広告への投資を効率化し、新たな勝ち筋となる認知広告に長期投資を可能にする「積立型デジタルマーケティング」への移行を実現します。

プロフェッショナル人材については、当社やグループ会社、当社と業務提携しているデジタルマーケティング領域のエキスパートであるアタラ株式会社より、高度な専門知識を携えてコンサルティングや伴走ができる確かな人材をアサインすることが可能です。
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次回は、YouTubeやTVerといった動画の認知広告で重要な「指名検索」について、デジタルに特化した伸長方法を紹介していきます。
(*1)特願:2024-211882
(*2) 5,000万円の予算を5媒体で按分した場合
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